営業さんとの打ち合わせが煮詰まってくると、設計部門の人と打ち合わせをすることになります。
設計との打ち合わせは、マイホームをより現実的に考えていくのに必要な作業です。主に構造体についての話し合いです。
また営業さんの打ち合わせとは異なり、打ち合わせ回数を多く取れない場合があるようです。(私の場合は回数制限等はありませんでした。)
実際私たちの場合、設計担当さんとの時間が合わないこともあり、忙しく打ち合わせをしたのを覚えています。
大きく決めるのは以下の4つ。
- 地震への考慮
- 建具の種類
- 電気配線の確認
- 採光

地震への考慮
我が家の工法は「木造軸組構法」です。従来工法とも呼ばれます。
木造軸組構法とは、建築構造の木構造の構法のひとつである。日本で古くから発達してきた伝統工法を簡略化・発展させた構法で、在来工法とも呼ばれている。 木造枠組壁構法がフレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床で支える構造であるのに対し、木造軸組構法では、主に柱や梁といった軸組で支える。
Wikipedia「木造軸組構法」より引用
木造軸組構法では、部屋の間取りの中に柱や梁(はり)を通す必要があります。
特に屋根を支えるための梁は、地面と平行に通していくので、部屋と部屋の位置関係に大きく影響してきます。どうしてもと言う場合は空間の中に柱を通す必要が出てきます。
またAI工務店の場合は、耐震として国土交通省認定最高ランクの「5倍耐力壁」や揺れを抑える制震ダンパーを採用しています。

これらの装置が入っている壁は基本的には、リフォームなどで壊すことはできません。壊してしまうと耐震・制震性能が落ちてしまうためです。リフォーム計画がもともとある場合は、確認した方が良い項目です。
【耐震と制震】耐震=地震に耐えること。制震=揺れを抑えること。
建具(たてぐ)の種類
建具は、建築物の開口部に設けられる開閉機能を持つ仕切り。おもに壁の開口部に取り付けられて扉や窓として用いられることが多い。用途は、出入口、通風口、採光、遮音、防犯など多岐にわたり、それぞれさまざまなタイプの建具が用いられている。
Wikipedia「建具」より引用
部屋と部屋の仕切りとしてドアやふすま、部屋と収納の仕切りとして折れ戸などがあります。
一般的な扉は「開き戸」

開き戸は手前に引いたり、押したりして開く扉。
開き戸のメリット
- 気密性が高い(防音、断熱)
- 一般的であり、デザインが豊富
- トラブルが少なく、メンテナンスのしやすい
- 見切り材が入らない
見切り材とは、部屋と部屋と分けるときの境界部分に使う素材です。写真の黄色の部分に入ります。
開き戸にすれば床にレール等は必要ないので、床の模様も途切れる事無くフラットな仕上がりになります。
開き戸のデメリット
- 扉が開くスペースが必要
- 車椅子での通行は困難
押したり引いたりして開くので、人通りの多いと予測される場所や狭い場所には不向きな扉でしょう。
特に階段付近は要注意。
階段上部付近で、開いた先に人がいたら、、、とっても危険です。
車椅子利用者にとっては、ドアの開け閉めや通行幅が狭さがとても不便になります。
バリアフリーで人気の引戸
引戸は昔のふすまのような仕組みの扉です。

引戸のメリット
- 通行幅を大きくとれる
- 操作が簡単
- 柔軟な使い方ができる
扉全体がスライドして開くので、開き戸と比べると大きな通行幅を確保できます。また、車椅子や力の弱い子供でも簡単に開け閉めできるのもメリットです。
柔軟な使い方とは、中途半端に開けるという使い方です。
少し換気をしたいときは少し開ける、空間を広く見せたいときには開けっ放しにするなど、引戸なら壁と一体化するので違和感はありません。
扉を壁の中に収納するつくりにもできるので、部屋全体のデザイン性にも優れています。
引戸のデメリット
- 気密性が劣る(音漏れ、すきま風)
- レールが必要
- トラブルが多いのも事実
- 壁のスペースを大きくとる
開き戸に比べると、気密性は劣ります。スライドさせるのにレールをつくり多少浮かせる必要があるからです。
レールは下にあるものが一般的ですが、写真のように上から吊るものもあります。
営業さんの話では上から吊るタイプはオシャレだけど、扉が曲がったり、故障する事が多いとのことでした。
引戸は省スペースと思われがちですが、実はスペースを必要とする扉です。
扉は真横にスライドして動くので、扉一枚分の壁を確保する必要があります。開き戸にはその必要はありませんでした。
スライドして動く壁には棚や窓は作れません。収納や家具も置くことを制限されます。また、地震対策のダンパーなどの装備も入れられないので、代償は大きい。

壁の中に収納しちゃえば大丈夫だな
壁の中に収納する場合、家具等は置けるようになりますが、扉の分、壁が厚くなります。棚や窓はもちろんつけられません。
電気配線の確認
電気配線は設計で最終決定にはなりませんが、おおよそを決めることになります。
電気設備のスイッチやコンセントの位置関係です。
なんでも電気が必要な現代社会では、生活のしやすさを大きく左右する項目と言えるでしょう。
スイッチ編

生活の動きをよくイメージすると考えやすいでしょう。
例えば階段。
階段を上る時、スイッチを押して電気をつけますよね。
上りきった後にスイッチがなければ、電気は消せません。
極端な例ですが、こんな状態では電気がある意味がありませんね。
このように生活における動きをイメージして、「ここにスイッチがあったら便利だな」というのを考える必要があります。
リビングの電気を点けるにも、スイッチが一ヶ所だけでは電気をつけるために、暗い部屋を歩かなければならなくなるかもしれません。
あとで後悔しないためにも、打ち合わせの前によーく考えておきたいところ。
コンセント編
スイッチ同様にコンセントも生活スタイルをイメージして考えておきましょう。
使う予定の家電製品は何か?
- リビングなら
- テレビ
- WiFiルーター
- ロボット型掃除機
- PCやスマホの充電
- 扇風機
- こたつ など
- ダイニングやキッチンなら
- ホットプレート
- コーヒーメーカー
- 電子ケトル など
使う予定のある家電製品はピックアップしておくと安心です。
コンセントの位置も何も言わなければ、「標準」の高さに取り付けられます。家具の配置や使い勝手の良い高さがあれば、これも打ち合わせ前にまとめておくと良いと思います。
採光
採光とは、部屋の中に取り入れる光の量のことです。
建築基準法により人が住む部屋には、一定基準以上の太陽光を取り入れなければいけません。
つまり窓の無い部屋は収納であり、人が生活する部屋として認められていないのです。
光を取り入れる要素は4つ
- 地域
- 窓の大きさ
- 窓の高さ
- 窓の方角
透明ガラスやくもりガラスで光の入る量が変わらないのは意外でした。
地域
マイホームの場合は最も採光が求められる地域になります。他の地域はと言うと、工業地域や商業地域などがあります。
マイホームは人が住むことがメインなので、最も光が必要になります。
これは変えようの無いことなので、仕方ありません。
窓の大きさ
光を取り入れるなら大きな窓が有利です。
大きな窓を作れば、採光問題は解決するでしょう。
大きな窓のある部屋の開放感は気持ちがいいかもしれませんが、デメリットも多いです。
- 防犯面
- 外部からの侵入口が大きい
- 外から家の中が見える
- 構造面
- 耐震性の低下
- コスト増
- 窓の費用
- カーテン費用
- 断熱性の低下
ライフスタイルに合わせてバランスよく窓を取り入れられるといいですね。
窓の高さ
太陽の光は上から降り注ぐもの。
大きな窓でも、足元にあっては光は入りません。
同じ窓の大きさでも、天井により近い位置に調整すれば採光問題がクリアできる事もあります。

天井近い窓は、外部からの侵入や目線をシャットアウトできると言うメリットも。
高くなればなるほど掃除などのメンテナンスは大変になりますね。どちらも一長一短。

天窓なんてほぼ掃除なんて出来ない!
鳥フンや雨汚れはいつ誰が掃除するんだ??
窓の方角
太陽は東から登って、西へ沈みます。また南側の陽当たりが良いのはよく知られている事です。
光は太陽の位置によって大きく変わります。
大きな窓でも北側の壁に作ってしまうのはもったいない。光があまり入りません。
朝日をうまく取り込みたいなら東側に窓をつける。西日を避けたいなら西側の窓は小さく設計する。
このようにライフスタイルや目的をはっきりさせておくと、打ち合わせも段取りよく進む事でしょう。
設計打ち合わせ時のまとめ
設計さんとの打ち合わせで重要なことは2点!
生活をより具体的にイメージしてから臨む
です。
マイホームに住むのは紛れもなく施主さんです。生活は個人個人で大きな差があるので、せっかくのマイホームは住みやすい家に設計してもらいましょう。
具体的にまとまらない時は、写真などを準備しておくと伝わりやすいです。伝えたいこともメモしておくと、漏れがなく済みますよ。

もう1つ重要なこと。
設計さんとの打ち合わせは「モデルハウスなどの展示場」でやる
これはサイズ感を体感できるから。

ここの広さは◯◯畳分になります。
壁から壁までは◯◯mくらいありますよ。
窓の大きさは◯◯cmです。
図面を見ながら、数字を言われてもイメージがつきません。モデルハウスなら実際の大きさを身をもって体験することができます。
私たちは特に想像力が乏しかったので、何度も何度も展示場の設備と自分たちの家を比べて説明してもらいました。
それでは、この辺で。
あなたのマイホームづくりを応援しています!
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