感染対策でも換気の重要性が再確認されていますね。
住宅にとって換気は重要です。ヒトは酸素を吸って二酸化炭素を吐き出します。歩けばホコリが出ますし、エアコンやストーブを使えば空気は汚れます。壁紙や建材などからも有害成分は生じてしまいます。空気では息苦しくなりますし、健康被害も出ます。
聞いたこともあるでしょうか?
「シックハウス症候群」
住宅の気密性がよくなったことで「シックハウス症候群」の発生件数が増えてしまいました。古い基準の住宅ではすきま風が入るくらいなので、換気システムを使わなくても十分に換気はできていたのですね。
この問題を解決するために、新築住宅では24時間換気システムを導入することが義務化されているのです。
換気システムには全4種類があります。一般的な住宅で使用されるのはそのうち2種類です。
紹介していきましょう。
持ち家計画
第1種換気
空気を取り込み、空気を吐き出しのどちらにも機械を使う方法。
第1種換気は機械を使うので、確実に部屋の空気を入れ替えることができます。ZEH住宅には必須の設備になります。
家を建てる段階で空気の通り道(ダクト)を計算して配置するので空気の流れを制御しやすく、確実な換気ができます。第1種換気では「熱交換システム」を導入することが多く、屋外の空気と屋内の空気の温度差を減らすことができます。
冬で例えると、外の冷たい空気を取り込むときに「熱交換システム」で温めてから部屋に取り込みます。冷たい空気が部屋の中に入らないので室温が変わりにくく、省エネにつながります。
また、機械のフィルタを通すことで花粉やPM2.5などをブロックすることができるのも特徴と言えます。
ZEHには必須ということもありメリットが目立ちますが、もちろんデメリットもあります。

1つ目は、場所の制約を受けること。全ての部屋にダクトを通して空気の通り道を作らないといけないことです。天井裏や床下にスペースを確保する必要性があります。
2つ目は、メンテナンス。ダクト内や熱交換システムには数年に一度はメンテナンスが必要であるからです。天井や床下にあるので素人で行うのは難しいでしょう。もし故障してしまえば、最悪天井や床を取り壊す可能性もあるので定期的なメンテナンスは必須です。
3つ目はコスト面。ダクトを張り巡らす費用やメンテナンス費用がかかります。機会で換気をするので電気代も多少なりかかります。省エネになるのは間違いないですが、窓を開けていれば、機械換気をしていても意味がありません。
第2種換気
空気を取り込みを機械を使い、空気の吐き出しは自然に任せる方法。
こちらは一般的な住宅では使われることは無いでしょう。
使用されるのは、病院の手術室などです。

空気の取り込みを機械のフィルタを通すことによって、清潔な空気のみを取り込めます。
室内の気圧が常に高い状態なので、ドアを開けても外気が入ってこなくなります。気密性が不十分であると、壁の中に湿気がたまる可能性もあるので一般的な住宅向きではありません。
第3種換気
空気の取り込みは自然に任せ、空気の吐き出しを機械で行う方法。
最も馴染みのある換気方法です。
ここでいう機械は「換気扇」です。

第3種換気はなにより低コスト!
キッチンやトイレ、浴室に換気扇があれば一定の機能の24時間換気を作ることができます。ダクトや複雑な機械を導入する必要はありません。換気扇だけなので、メンテナンスも簡単。
第2種換気と反対に、部屋の中の気圧は低い状態が維持されます。室内の湿った空気が壁の中に入りにくいというメリットもあります。
デメリットとしては、空気の取り込みは自然にお任せなのでエネルギー効率は下がります。花粉やPM2.5などの流入も避けられません。
第3種換気にもダクトを使うことで排気効率をより高めることもできます。
第4種換気
空気の取り込み、空気の吐き出しのどちらも自然に任せる方法。
こちらもほとんど現代の住宅では使われません。
冒頭でも述べたとおり24時間換気が義務化されたためです。

第1種換気 VS 第3種換気
一般住宅なら第1種換気か第3種換気の2択となるでしょう。
【第1種換気】まとめ
- 空気の取り込みと吐き出しを確実にコントロールできる
- 熱効率が良く、省エネにつながる
- 花粉やPM2.5などをブロックできる
- コストがかかる
- ダクトの整備に制約がある
- メンテナンスの必要がある
【第3種換気】まとめ
- コストが低い
- メンテナンスが簡単
- 壁の中へ湿気が入りにくい
- 花粉やPM2.5などは入ってくる
- 住宅性能によっては計画的な換気ができない
- エネルギー効率が悪い
どちらもメリット・デメリットはあります。
ヒトは空気を吸っていかなければ生きていけません。毎日吸う空気なので、健康には大きく関わります。家を作るときには、大切に考えたい項目ですね。
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