先日こんなものが届きました。

環境共創イニシアチブ??
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聞きなれない言葉ばかりですが、どうやら環境問題解決に向けて取り組んでいる法人のようです。
今回のテーマはZEHです。
ZEHってなに?
ZEHこれはゼッチと読みます。写真にも書いてありますが、
Net Zero Energy House
ネット ゼロ エネルギー ハウス
の頭文字をとってZEHです。
あれ?Nはどこいったんだ?
ゼロ エネルギー ハウス はエネルギーが0の家か!となりますよね。
そもそもネットって何でしょうか?細かいところが気になるma-sanです。
ネット(Net)とグロス(Gross)

お菓子の袋にはNet 50gと書いてあるのをご存知でしょうか?これは中身の量を表していますね。Netとは正味とか実質という意味があります。Net 50gと書いてあるお菓子だったら、中身のお菓子の重さが50gということになります。皆さんもそのイメージでいると思います。
グロス(gross)はあまり聞かないですね。ゴルフや仕事関連で知ってる方はいるかも知れません。grossは総量とか全体という意味があります。ゴルフではグロススコアという言葉があったり、ビジネスでもグロス価格と表現することもあるようです。途中でかかるコストなどを全て含めたスコアや価格のことをグロスと表現します。
ZEHにはこの実質の意味のNetを使用しています。つまりZEHは、
実質、エネルギーが0の家
ということになります。また疑問が出てきます。実質とは何だ?
ZEHは国の方針
ZEHの略は「実質、エネルギーが0の家」でした。
実質と言われると怪しいですが、環境や地球に優しい家ということには変わりありません。
環境問題に取り組むべく、国も推奨している政策です。平成28年度からZEHを作るハウスメーカー=ZEHビルダーの登録を始めています。このZEHビルダーは2020年までに受注の50%以上をZEHでつくると公言しているメーカーになります。
国の方針は、ZEHを標準化する方針に動いています。「2020年までに新築戸建住宅の半分以上を、2030年には新築住宅の平均をZEHにする。」と具体的な数値も出しています。2020年も半分終わりました。これからの住宅はZEHが中心になりそうですね。
実質?エネルギーがゼロ?
実質エネルギーがゼロというのは
「自然エネルギーの使う量をプラスマイナスゼロにできる家」
ということになります。
ちゃんとした文章はこちら
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」
引用 経済産業省 資源エネルギー庁
自然エネルギーとは、太陽光や風力、水力、地熱力などがあります。一般の住宅で現実的なのは太陽光となります。太陽光をドーンとつければいいというわけではありません。太陽光パネルで大量に発電しても、エアコンをガンガン稼働しているのは環境に優しいとは言えませんからね。
ZEHのキーワードは、断熱性・省エネルギー・創エネルギーです。
【消費エネルギー】 = 0 =【断熱性能】+【省エネ家電】+【太陽光パネル】
断熱性能
断熱性能はどこで変わるのでしょうか?
- 断熱材
- 外壁、屋根
- 窓、ガラス
- 気密性
がポイントになります。
断熱材

断熱材はメーカーによって異なります。ちなみに我が家は吹き付けの発泡タイプのものです。他にはグラスウールというガラス由来の素材が袋詰めになっているものやウレタン状のものがあります。※我々が説明されたもののみ
ひと昔の断熱材は、経年劣化で小さくなってしまったり、カビが生えてしまったり等あったようです。近年では各メーカーの対策により、長持ちする工法をアピールしています。ZEHビルダーの中でも断熱材の使用には差があるようです。
グラスウールはガラス由来の繊維状の素材です。このまま壁に詰めてしまうと、年数が経つにつれて潰れてしまうそうです。なので、袋分けをして壁にもダウンジャケットのように細かくエリアを分けていました。
ウレタン状の断熱材はとにかく分厚く、硬い素材でした。素材が上質な分コストが高い印象でした。
吹き付けタイプのものは液体を化学反応させる事で、吹き付けた瞬間に固まりとなります。直接吹き付けられるので、配線の部分や細かいところまで密に塞ぐことができます。
外壁、屋根
外壁の素材も断熱には必要になります。夏の強い日差しを最も多く受けるのは屋根であり、外の空気に最も多く触れるのは外壁です。黒い色は熱くなりやすい。と言われますが、外壁材に関してはそこまで影響は無いそうです。営業トークかもしれませんが。。
家の外と中との間にどれだけ物理的な距離をとれるかだけでも温度は変わってくると思います。ですが、断熱性については、先ほどの断熱材やこの後の窓ガラスの方が重要です。
窓・ガラス

断熱性能に関して、窓選びとガラス選びは重要です。日差しを多く受けるのは屋根や外壁ですが、光(熱源)が入ってくるのは圧倒的に窓になります。窓の数が多かったり、大きな窓があったり、南向きの窓があったりすることで部屋の中の温度は変わりやすくなります。極端に言えば、サンルームです。サンルームはほとんどの面が窓になっていますね。夏場はものすごい温度になることが予測されます。同じように部屋の中に日差しが入ってくればくるほど、室温の上昇してしまいます。
窓の無い部屋は部屋として法律上成り立ちません(採光)。そこでガラス選びも重要です。ガラスにも各社力を入れており、2重や3重、中には4重ガラスもありました。4重までいくと、窓がすごく重かったのを覚えています。厚みだけではなく、ガラス内部に熱を通さない特殊なガス(アルゴンガス)を入れているものもあります。
ガラスの質に加えてサッシも金属製ではなく、熱伝導率の優秀な樹脂を使うなど熱移動の大きい窓・ガラス選びはZEHに関して重要項目になります。
気密性
ここはメーカーのノウハウや実際に作る職人の腕にかかってきます。どんなに良い素材を使ってもすきま風が入っては仕方ありません。メーカーと職人の腕を信じましょう。届出済みのメーカーにはZEHビルダーのマークがあるので参考にしてください。
省エネ家電

身近になっているもの言えば、
- LED照明
- エアコン
- エコキュート
- IHヒーター
- テレビ
- 冷蔵庫
です。
他にも洗濯機や電子レンジなどありますが、生活家電はあまり重要視されていないようです。
なので、現状では照明とエアコンなどの冷暖房、給湯が主になっています。
省エネ家電はもちろん高品質になるので、購入時は割高になることは間違い無いでしょう。
太陽光パネル

一般住宅でエネルギーを作るには太陽光パネルになります。数年前には売電価格が非常によかったこともあり、太陽光パネルをつけている家をよく見るようになりました。
2020年は売電価格の引き下げが行われたため、太陽光を乗せればプラスになると言うことは難しいようです。
太陽光パネルがついているから停電時も安心!と思っている方は要注意です。
太陽光で発電した電気は、発電した時に使われないと意味がありません。太陽光パネルだけでは電気を貯めることができないのです。停電時でも日中は太陽光パネルは発電しているため、電気が使えます。しかし夜には発電量が激減するため電気はほぼ使えなくなります。夜こそ電気が必要なのに。。。この問題を解決するには蓄電池が必要ですが、とても現状は高額で割りに合いません。
基本的な考えは「日中発電した電気を売って、夜は電気を買う。」ことになります。この売った金額と買った金額が同じであれば実質0ということになります。
まとめ
国はZEHの普及を進めており、補助金も出しています。しかし、まだまだZEHを建てるには初期投資が必要なのが現状です。また、住宅以外にも省エネ家電を必要とします。買い替えの時も当然高額になることでしょう。太陽光パネルも一生ものではありません、必ずいつか故障や破損が起こり得ます。
年間の光熱費のランニングコストはお得かもしれませんが、初期費用やメンテナンス費を考えるとどっちが良いかは微妙なところですね。
住宅選びは無理のない計画をしましょう。ではまた。


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