前回の記事では六曜や十二直を紹介しました。
大安や仏滅など聞くことも多いものでしたね。過去記事「六曜についてはこちら」
本記事では年間でも数少ない、『一粒万倍日』と『天赦日』を紹介します。
また、縁起の悪いとされる「さんりんぼう」についても由来を含めて紹介していきます。
『一粒万倍日』=いちりゅうまんばいび
一粒万倍日とは漢字の通りではありますが、一粒が万倍にも膨れ上がるほど良い日のこと。
宝くじ売り場とかでも旗が立っていることがあります。
宝くじのように、少額の投資で大金を狙うには縁起の良い日でしょう。
住宅ローンを組む時には凶日となるので注意。
借りたローンが万倍にも膨れ上がると考えると恐ろしいですよね。
『一粒万倍日』はいつ?
2020年の『一粒万倍日』は、全部で56日あります。(ちなみに大安は61日、そんなに変わらなかった。)
大安で知られる六曜は、6つの日がシンプルに順番で繰り返されていました。
『一粒万倍日』は「二十四節気」と「十二支」の関係で決められます。
二十四節気とは、1年を24分割した考え方。立春や立夏、夏至や冬至など聞き慣れたものもあります。
1年(365日)を24分割しているので、1節気はだいたい15日ほど。
この1節気に決められた十二支の2つが当てはまると『一粒万倍日』になります。
つまり15日に2回ほどの頻度。大安は約6日に1回ですから、そこまで差はありませんでしたね。
太陽の位置を基準に決めているので、順繰り決めている六曜の概念と比べると有り難みがあります。
『天赦日』=てんしゃび
「天が赦(ゆる)す」と書いて天赦日。
暦の中でも最強の吉日と言われています。天が赦しているのですから、何をしても大丈夫ということ。
2020年の天赦日はたったの7日。
その貴重さと有り難みが際立ちますね。
『天赦日』はいつ?
2020年の「天赦日」は残り2日間。11月1日と17日。
忘れずに覚えておきたいですね。
「天赦日」は、二十四節気の4節気と干支(えと)で決まります。
・立春〜立夏 :戊寅(つちのえとら)の日
・立夏〜立秋 :甲午(きのえうま)の日
・立秋〜立冬 :戊申(つちのえさる)の日
・立冬〜立春 :甲子(きのえね)の日
干支は「十干(じっかん)」と「十二支」の組み合わせからなるもの。
全ての組み合わせで60種類あります。
つまり「天赦日」は60日に1回の頻度で訪れる、超レアの日なのです。
十干って?
十干(じっかん)は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の要素からなる集合。干支を書くとき干を支の前に書くことから天干(てんかん)とも言う。
Wikipedia 十干より
契約書などで、甲は◯◯◯◯、乙は△△△△、丙は□□□□など書いてあるのを見たことがありませんか?これが十干を利用したものです。
意外と知らないようで、私たちの生活の中に浸透しているともいえますね。
読み方に違和感を覚えませんでしたか?
天赦日の基準でも使われるもので、「戊=つちのえ」、「甲=きのえ」と読みます。
十干は2種類ずつ古代中国の自然哲学(5行)を当てはめています。
五行説=【火・水・木・金・土】で全て成り立つという考え方
- 甲乙(こうおつ)=「木」
- 丙丁(へいてい)=「火」
- 戊己(ぼき)=「土」
- 庚申(こうしん)=「金」
- 壬癸(じんき)=水
さらに安倍晴明でおなじみ陰陽の思想で陽=兄(え)、陰=弟(と)と捉えると、
- 甲=木の兄=きのえ
- 乙=木の弟=きのと
- 丙=火の兄=ひのえ
- 丁=火の弟=ひのと
- 戊=土の兄=つちのえ
- 己=土の弟=つちのと
- 庚=金の兄=かのえ
- 申=金の弟=かのと
- 壬=水の兄=みずのえ
- 癸=水の弟=みずのと
となり、読めるようになりましたね!
だいぶ話が逸れましたが、それほど力の強い決め方をしているということです。
『さんりんぼう』は「三隣亡?」「三輪宝?」
『さんりんぼう』は現代では「三隣亡」として忌み嫌われています。
この日に家づくりや建築関連儀式を行うと、3軒先まで災いを招くというもの。
自分の家だけでなく、近所を巻き込むというのがタチが悪いですね。
しかし、歴史を辿っていくともともとは「三輪宝」と書かれていたそうです。
「三輪宝」の日は“屋立てよし”と言われるほど、吉日でした。
何かの間違いで、「よし→あし」に書き間違えてしまったというのです。結果的に現代まで、家づくりの凶日として伝えられています。
「さんりんぼう」の日程は決められています。
- 旧暦の1、4、7、10月の亥の日
- 旧暦の2、5、8、11月の寅の日
- 旧暦の3、6、9、12月の午の日
ビッグイベントだからこそゲン担ぎを!
人生にそう何度とないマイホーム購入。
自分や家族を守るマイホームだからこそ、神にも仏にも頼ってもいいものにしたいですよね。
古来から伝わる、「さんりんぼう」を避け、「一粒万倍日」や「天赦日」を選んでいければきっと順調に物事が進んでいくことでしょう。
運が良ければ、吉日と言われる「大安」や「一粒万倍日」、「天赦日」が重なることがありますので、カレンダーをチェックしてみましょう。
コメント