理学療法士の考える杖選び【杖の種類もさまざま】

カラダ
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まー、

・総合病院の現役理学療法士
・介護領域の訪問リハビリを兼務
・介護予防、地域包括ケア推進リーダー
・20代からマイホーム計画
・元バスケットボール国体選手

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こんにちは!まーさんです。自己紹介はこちら

今回は杖選びについて解説します。在宅での仕事をしていると杖についての質問は多いです。

利用者さん
利用者さん

そろそろ杖が欲しいと思ったけど、どんな杖を選べばいいのかしら?

最もよく聞かれるのが、1本目の初めての杖について。

特に病気になった訳でもないけど、歩くのが不安になってきたから杖が欲しい。

そんな声が多く聞かれます。

杖の種類や杖の持ち方なども合わせて解説します!

杖を使う目的

どうして杖は有効なのでしょうか?

目的として大きく3つ挙げられます。

  • カラダのふらつきをコントロールする
  • 痛みを軽減させる(患部の保護)
  • ココロの安定

カラダのふらつきをコントロールする

これは杖を使う人が最も求めている目的です。

杖を使うことで支持基底面を広げることができます。もともと2本で歩いていた足が、3本、4本と増えることで圧倒的に転びにくくなります。

支持基底面=床についている点を囲った面

2本足の場合の支持基底面(黄色)

杖(赤丸)がある場合の支持基底面

床についている総面積ではなく、点を囲った面積です。足の大きさや杖の太さは支持基底面に大きな意味を持ちません。

痛みを軽減させる(患部の保護)

足の骨折や捻挫などで、足に体重をかけられない時にも杖は使われます。(保護)

腰や膝が痛い場合でも、杖を使い体重を分散させることで患部を保護し、痛みを軽減させることができます。

ココロの安定

杖は精神的にも支えてくれます。

「転ばぬ先の杖」など古来からのことわざがあります。転ぶ前に杖を使えば転ばなくて済んで安心だよってことですよね。

実際に歩く時に杖は持っていても、杖をついていない人もいるほど。

杖はつかないと意味がないと思うかもしれませんが、その人にとってはココロの支えとして必要な杖なのです。

T字杖(1本杖)

最もポピュラーで使い勝手の良い杖。持ち手がT字型になっているのでT字杖と呼ばれます。

足腰の痛みやふらつきの不安に対して予防的使用も有効です。

屋内外を問わず、階段や坂道でも効果は十分。T字杖を使う人は比較的歩行能力の高い人であり、家の中ではつたい歩きも併用できるレベルにあると思われます。

価格も比較的安く100円から数万円と、材質などによって幅広いのも特徴です。

高さ調整の目安は、自然にたった時の手首の位置と覚えておきましょう。

100円の杖はおすすめしません。

今まで折れ曲がった100円杖を何本も見てきました。転倒は寝たきりに繋がります。少なくとも3000円くらいで高さ調節の効く杖が良いでしょう。

多脚杖(4点杖)

私は、ディズニピクサーの映画に登場する「カールじいさん」の杖のイメージが強く持っています。

杖の先にテニスボールがくっついている杖です。

持ち手はT字杖と同じく片手で握るので、体重を支えられる量としては変わりありません。

足が4本あり、地面との接地面が多くなることで体重をかけても安定しやすいのが特徴です。

弱点もあります。

4つの足全てが地面についていないと、安定しません。

屋外の砂利道や細かな段差、坂道では不安定性が増します。最悪杖を使うことで、転倒しやすくなってしまいます。

使える条件としては、広くて平坦な道なので基本的には屋内中心の杖でしょう。

ロフストランド杖

あまり聞きなれない杖ですね。

前腕(肘より先)と手で体重を支えます。T字杖や多脚杖と比べるとより多くの体重を預けることができます。

握力が弱くても使える杖でもあるので、高齢者や手の不自由な方でも使える可能性があります。

弱点としては杖が長いため、階段の昇り降りには向きません。

また、その長さゆえに置き場に困ります。

松葉杖

松葉杖(まつば杖)は使ったことのある人もいるかもしれませんね。

これはちょっと長すぎかも。脇の下まで入ってる?

腕とカラダで杖を挟み混んで使います。

カラダの近くに杖をつくので、体重を預けやすく2本使えば片脚の負担をゼロにすることもできます。

松葉杖を使いこなすには、腕や背筋の筋力が必要なので高齢者には不向きです。

注意点もあります

長さを調節する時に、脇の下に当たらないようにすること。

正しい使い方は、腕とカラダの側面(肋骨あたり)で挟みます。

脇の下は神経が集中して通っているので、手のしびれの原因となります。

杖は必要?のチェックポイント

いろんな杖がありましたね。

欲しい杖はありましたか?現在生活でそれほど困っていなければT字杖をおすすめします。

最近の杖はカラーも豊富で、軽量のものや、折りたたみ可能のもの、などたくさんの種類があります。

チェックポイントとしては以下の3点が達成されているのかどうか。

  • 安全性
  • 実用性
  • 再現性

安全性

杖を使うのだから、安全性が高くなっていないと意味がありません。

杖を使って歩いた時に、

  • ふらつきが減った
  • 痛みが軽くなった
  • つまずかなくなった

など安全面に効果が出たことを確認しましょう。

逆に、杖を持つことで

  • ふらつく
  • 杖を持っている手首や肩が痛い
  • 杖につまずいてしまう

ということがあれば、使用は控えて医療機関へ相談しましょう。

実用性

利用者さんに多く見られるのが、目的を見失ってしまうことです。

杖が欲しい目的は、杖を使うためでは無いはずです。

もし、この杖を使いたい!!という方は杖を買った時点で実用性はOKでしょう。

大抵の方は、「杖を使って〇〇〇がしたい。」という理由があったと思います。

その目的を忘れずに、使う場面をイメージしましょう。果たして杖が必要かどうか。

キッチンやお風呂、トイレでは杖の必要性は少ないです。

どこも両手を多く使う場所なので、杖をもったり離したりとするのは非実用的です。杖ではなく、家具や手すり、壁などを支えにした方が圧倒的に動きやすいでしょう。

再現性

再現性とは毎日同じ動作を続けられるのか?ということです。

よく聞くのは、杖を買って2.3日しか使わなかったというパターン。

杖を使って動いたことで歩行能力が上がったのならば素晴らしいことです。現実として多いのは、「やっぱりめんどくさい」ということ。

上記の「安全性」と「実用性」をイメージできて、納得できていれば再現性はクリアできると思います。

他者にすすめるときも同じです。

親切な骨
親切な骨

あの人、歩くの大変そう。杖を買ってあげよう。

そんな親切心も杖を使う本人が「安全性」や「実用性」を理解していなければ、「再現性」は得られないでしょう。

とにかく、転ばぬ先の杖

転ぶ前に杖を使いましょう。

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