
こんにちは!まーさん?です。
今回は“骨”の役割や知られざる機能について、運動の専門家がわかりやすく解説します。自己紹介はこちらから
そもそもヒトの骨って何個あるの?
あなたの骨は何個ありますか?

大人のあなたは基本的に206個です。
生まれたての赤ん坊では300個以上あるとされています。成長の過程で骨が徐々にくっつくことで、206個に近づいていきます。若干の個人差があるので基本的には206個です。
部位別に見ると、
- 頭 :29個
- 背骨:26個(首7、胸12、腰5、仙骨、尾骨)
- 肋骨:24個(片方12個)+胸骨
- 両腕:64個(片腕32個)
- 両脚:62個(片脚31個)
細かい動きをするところや大切なものを守るところにはたくさんの骨があります。
片方の手のひらだけで29個の骨で構成されています。左右で58個。
片足(くるぶしから下)だけで26個。両足では52個。
両手両足だけで人体の半分以上の骨があるんですね!
頭の骨は脳を守り、背骨と肋骨で心臓や肺を守っています。
骨の役割
骨の役割は主に3つあります。
- カラダの基礎、鎧の役割
- 実は血液を作っている
- 人体最大のカルシウムの倉庫
カラダの基礎、鎧の役割
一般的な骨のイメージは、カラダの基礎としての役割だと思います。また鎧として外部からの衝撃から身を守る役割もあります。

カラダの基礎として骨があり、筋肉などと連合することで体重を支え、立つ〜歩くなどの運動が行えています。
また、優先度の高い守るべきものは脳と心臓と肺。3つのうちどれか1つでも傷がつけば命に関わります。
大事なものを守るために骨の数を増やして対応しているのですね。
先ほども述べましたが、頭(頭蓋骨:とうがいこつ)は脳を、背骨(椎骨:ついこつ)と肋骨は肺と心臓を囲んでいます。
実は血液を作っている
あまり知られていませんが、ヒトの血液を作る工場は骨の中にあります。
“骨髄(こつずい)”というとピンッとくるかもしれませんね。
骨髄は骨の奥深くに存在しており、酸素を運ぶ赤血球や傷口を保護する血小板など全てを作っています。
血液は全身に酸素と栄養を運ぶ、大切な存在です。また全身を巡ることで汚れてしまうので、絶えず作り続けることが必要になります。
骨はカラダを支えて、大事な臓器を守っているだけではなく、骨自身が重要な血液工場だったのです。
人体最大のカルシウムの倉庫
骨といえばカルシウム。身長を伸ばすためによく牛乳を飲んだものです。

結果は176cm…うん。微妙です。
そんなカルシウムですが、そのほとんどが骨の中に貯められています。
その割合は驚異の99%!(成人で約1kg)
カルシウムは骨を強くすると思われがちですが、あくまで間接的です。
カルシウムの作用としては、筋肉の収縮や神経伝達、血液を固めるなどがあります。
カラダがカルシウム不足になると、カルシウムの倉庫である骨からカルシウムを持ち出すことになります。
カルシウムをいつも大量に持っていかれると骨がスカスカになって、もろくなってしまいます。
だからカルシウムを摂ろう!と言われるのですね。
そもそも骨って何でできているの?
骨は主に3層構造です。
外側から【骨膜(こつまく)→皮質骨(ひしつこつ)→海綿骨(かいめんこつ)】で構成されています。
成分としてはコラーゲンやカルシウム、骨塩結晶が石灰化して固さをもたらしています。
骨膜(こつまく)
骨の表面のうすーい膜。薄い膜の中に血管や神経が入っています。骨膜には、骨を作る職人細胞がいるので、骨折した時には大忙しで働きます。
皮質骨(ひしつこつ)
骨のイメージである固さそのもの。円柱型の骨(オステオン)がびっしり詰まっていて、とにかく固い。

円柱でパイプ状ということは中に何かが入っています、しかもびっしり詰まっているとなるときっと重要なものですね。
それは血管です。
ただの血管ではなく、この円柱型の骨(オステオン)の中を通る血管は、栄養が豊富に含まれる血液を運んでいます。
海綿骨(かいめんこつ)
骨の最深部。血液の製造工場“骨髄”のある場所です。
網目状の構造をしており、クッションの役割をしています。
赤ん坊のうちは全ての骨に血液工場を持っていますが、成長するにつれて失われていきます。
成人になると、頭蓋骨や背骨、骨盤、腕や足の骨の一部に限局されていきます。
骨はいのちの倉庫だった
骨の素晴らしさが伝わったでしょうか?
まとめると
- 骨は体を支える基礎
- 骨は臓器を守る鎧
- 骨は血液を作る工場
- 骨はカルシウムを貯める倉庫
見ての通り、骨は私たちのいのちを守ることに徹しています。
自らがしっかり働きながら、他の臓器も守る。しかもいざという時の貯蓄もしている。
なんて素晴らしい。
そんな骨の体調は骨密度で測れます。
骨密度は皮質骨の量で決められます。
定期的に計測(メンテナンス)をして、骨からも元気に過ごしましょう!

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